<腫瘍・癌>

114C-37

口腔潜在的悪性疾患は?

3つ選べ

 

a 白板症

b 帯状疱疹

c 扁平苔癬

d 尋常性天疱瘡

e 慢性カンジダ症

 

<解説>

 

114C-8

我が国で口腔悪性腫瘍のうち扁平上皮癌の占める割合は?

1つ選べ

 

a 約 1%

b 約10%

c 約30%

d 約60%

e 約90%

 

<解説>

 

114C-25

下顎歯肉癌 PETと造影CT

転移が疑われるのは?

1つ選べ

 

a 頬リンパ節

b 舌リンパ節

c 顎下リンパ節

d 副神経リンパ節

e オトガイ下リンパ節

<解説>

 

113C-45

右側舌縁部の扁平上皮癌のFDG-PET/CTを示す

矢印で示す集積部位は?

1つ選べ

 

a 舌下腺

b 外頚動脈

c 口蓋扁桃

d 内側翼突筋

e 上内深頚リンパ節

<解説>

PETでは、

正常なところが光ってみえる「生理的集積」が知られています

鼻腔,口腔,唾液腺,扁桃において生理的な集積が目立つ

注意が必要

 

108B-39

61歳、女性

主訴:下顎右側大臼歯部の腫脹

2か月前から同部の腫脹に気付いていたが放置

最近 6 5 の動揺が高度になった

初診時のX線写真、CT、生検HE染色病理組織像を示す 

診断名はどれか。 1 つ選べ。

 

a 骨肉腫
b
扁平上皮癌 

c エナメル上皮腫 

d 線維性異形成症

e 慢性下顎骨骨髄炎 

<解説>

『病名は「〇〇がん」です』と診断する際、

生検」が最も重要な検査です

 

見た目、CTで

「ほぼ間違えなく『がん』です」と言えても

確定には至りません

 

高齢、比較的経過が長い(数ヶ月)、CTで骨溶けてる、

これで「がん」を疑いますが、

 

「病理所見」だけで、

癌真珠(玉ねぎみたいな同心円)= 扁平上皮癌

です

 

110D-7 

75歳、男性

主訴:下顎左側歯肉の異常

1か月前から左側下唇の知覚鈍麻

既往歴:骨粗鬆症、糖尿病、高血圧症

初診時の口腔内写真、X線写真、CT、生検HE病理像を示す

診断はどれか。1つ選べ。 

 

a 扁平上皮癌
b エナメル上皮腫
c
薬剤関連顎骨壊死 

d 慢性化膿性顎骨骨髄炎

e びまん性硬化性顎骨骨髄炎

<解説>

高齢、比較的経過が長い(1ヶ月)、知覚障害、CTで骨溶けてる、

 

これで「がん」を疑いますが、

 

「病理像」だけで、

癌真珠(玉ねぎみたいな同心円)= 扁平上皮癌

を選べます

 

113B-85

68才、男性

主訴:右側舌縁の接触痛

3ヶ月前から口内炎の治療を受けているが症状改善せず

触診・画像検査で頸部リンパ節の腫脹なし

初診時口腔内写真、口腔内超音波検査画像、生検HE病理像を示す

適切な治療は?

2つ選べ

 

a 化学療法

b 免疫療法

c 舌部分切除

d 組織内照射

e 副腎皮質ステロイド軟膏塗布

<解説>

高齢、比較的経過が長い(3ヶ月)

これで「がん」を疑いますが、

「病理像」だけで、

癌真珠(玉ねぎみたいな同心円)= 扁平上皮癌

とわかります

 

早期舌癌の治療は

① 舌部分切除

② 組織内照射

 

111B-77

86歳、女性

歯科医院で舌腫瘤を指摘され来院

右舌縁に硬結伴う腫脹

頸部に腫大リンパ節は触れない

初診時の口腔内写真、造影CTFDG-PET/CTMRI脂肪抑制造影T1強調像、生検HE病理像を示す。 

適切な治療法は? 1つ選べ。

 

a 開窓
b
切開排膿
c
外科的切除 

d 抗菌薬投与

e 副腎皮質ステロイド軟膏塗布

<解説> 

「舌縁」「硬結」この2つで舌癌を強く疑います

 

「病理像」だけで、

癌真珠(玉ねぎみたいな同心円)= 扁平上皮癌

を選べます

 

前述の問題に比べると、

癌真珠?という感じですが、

「濃いピンク」周辺の感じで扁平上皮癌を選びます

 

検査たくさん→悪い病気?という感じもします

 

舌癌の治療は、

手術または小線源(放射線)なので

「切除」を選びます

 

102A-81

初診時の口腔内写真

潰瘍周囲に「硬結」を触知

悪性腫瘍を疑い生検を行う

採取部位で適切なのは?

1つ選べ

 

a ア

b イ

c ウ

d エ

e オ

<解説>

「生検(せいけん)」のやり方

 

舌をガーゼを持った手で引っ張りながら、

(イ)のあたりを局所麻酔をして、切り取って

一針縫って止血します

 

硬い部分(硬結:こうけつ)は顕微鏡で見ると

癌の病理像(扁平上皮癌であれば「癌真珠」など)が見られます

 

ウは癌の範囲から外れているのでダメです

 

ア、イ、エ、オのどこからでも診断はできます

 

潰瘍の部分(オ)だと

壊死(えし≒腐った組織≒生きた細胞なし)で癌の所見が見えない場合があるので、

できれば避けたほうがいいでしょう

 

実際にはあまり気にせずに硬い部分で取りやすいところから取ってしまいます

 

一般的には

正常と癌の境目(正常組織と癌組織の両方を含む)から生検するのが良い」とされているので

(イ)が正解です

 

場所的にも、

(イ)の位置が一番手前で切り取りやすいですね

 

110B-47

57歳、男性

主訴:上顎左側歯肉の腫瘤

3か月前に自覚。痛みなく放置

徐々に増大

鼻漏や頸部リンパ節腫脹なし。

初診時の口腔内写真、X線写真、CT、生検HE病理像を示す

行うべき処置は? 1つ選べ。 

 

a 洗浄
b
副腎皮質ステロイド軟膏塗布 

c 切除・搔爬 

d 上顎洞根治術

e 上顎部分切除術

<解説>

「病理組織」だけで、

癌真珠(玉ねぎみたいな同心円)= 扁平上皮癌

 

口腔癌は基本的に手術です

舌癌は手術以外に、小線源治療(放射線を出す金属を癌に埋め込む放射線治療)の場合もあります

 

上顎洞根治術も手術ですが、

上顎洞炎に対する手術です

 

110A-125  

口底の腫脹を主訴に来院。

口腔内写真と検査画像を示す。

「この検査は①の代謝を反映する。」

①に入るのは? 1つ選べ。 

 

a ドパミン

b アルコール

c アルデヒド

d グルコース

e クレアチン

<解説>

PET(ペット)= 何の代謝を反映?

 

口腔底癌の写真とPET/CT画像ですが、

「カラーのCT」=「PET/CT

(普通のCTは白黒)

 

PETは、

癌細胞が栄養としてグルコース(ブドウ糖)を多く取り込む性質を利用した検査です

 

癌細胞は増えるために栄養を欲張って取り込みます

 

赤いところは特に多く取り込まれている部分です

 

全身が撮影できるので、

体のどこに病変があるかわかります

 

PETと同時にCTも撮影し、重ね合わせることで

普通のCTに腫瘍がカラー表示されるようになります

(初めての人にはわかりやすいですが、やや解像度が低いのが欠点です)

 

要点:

全身チェック=PET=グルコース取り込みを利用

 

111A-51

歯肉癌の転移リンパ節の

造影CTFDG-PET/CT、ドプラ超音波横断像。

転移リンパ節の部位はどれか。1つ選べ

 

a 頰リンパ節
b
咽頭後リンパ節
c
鎖骨上窩リンパ節

d オトガイ下リンパ節
e
上内頸静脈(上内深頸)リンパ節 

<解説>

要点は、

「歯肉癌が転移するリンパ節を知っていますか?」

 

頚部リンパ節=「場所」で「5つ(レベル1-5)」に分類

 

① オトガイ下リンパ節、顎下リンパ節

② 上内深頸リンパ節 

③ 中内深頸リンパ節 

④ 下内深頸リンパ節

⑤ 副神経リンパ節

 

(下の図の番号とは異なります)

 

歯肉癌などの口腔癌では、

頰リンパ節咽頭後リンパ節への転移はめずらしいです。

 

この問題は、

鎖骨上窩リンパ節、オトガイ下リンパ節ではないということははっきり言えますが、

「顎下リンパ節は微妙だ」とクレームがつきそうなのであえて選択肢から外しているのでしょう

 

107B-28

60歳、男性

主訴:左側舌縁の腫瘤(3か月前から)

腫瘤増大、硬結あり

同側の顎下部に母指頭大のリンパ節腫大。

初診時の口腔内写真を示す。

顎下リンパ節について行うべき画像検査は?。 2つ選べ。

 

a 造影CT
b
超音波検査

c
骨シンチグラフィ 

d 歯科用コーンビームCT 

e パノラマエックス線撮影 

<解説>

中央の潰瘍、周辺がやや盛り上がり硬そう

→「硬結」→舌癌を疑う

リンパ節腫れている=転移の可能性

 

リンパ節転移の検査は?

選択肢では、

・造影CT(造影剤を注射してCTを撮影)

・超音波検査

の2つになります

 

もしMRIやPETも選択肢にあれば正解になります

 

113B-33

画像検査で医療従事者の感染リスクが最も高いのは?

1つ選べ

 

a 造影CT

b 単純MRI

c 超音波検査

d 嚥下造影検査

e パノラマX線検査

 

<解説>

この中で、注射をするのは「造影CT」

「針刺しのリスク」≒「感染リスク」

嚥下造影検査は造影剤を飲むので注射しません

 

114C-27

主訴:舌の腫脹

口腔内写真と口腔内検査の画像

画像形成に最も関係するのは?

1つ選べ

 

a 血流速度

b 組織の硬さ

c 糖代謝の量

d 水分子の拡散状態

e エックス線減弱の程度

<解説>

超音波検査(エコー検査)では、

みたい部分にプローブを当てます

 

「エラストグラフィ」は、

プローブを当てた組織の硬さをカラーで示します

 

109A-45

頰部腫瘍の検査画像

この検査法は?

1つ選べ

 


a 造影CT


b FDG-PET

c 血管造影法


d 超音波検査法


e ダイナミックMRI

<解説>

一般に、

カラー画像≒PET

 

一方、

これは超音波検査(エコー)のモードのうち、

上図:硬さを評価する「エラストグラフィー」

下図:血流を評価する「パワードプラ」

 

カラー=PETと覚えている人に対する

「ひっかけ問題」です

 

107A-106

顎下部の腫脹

検査画像を示す

画像形成に関与するのはどれか。 2 つ選べ。 

 

a 音速
b 反射
c 糖代謝 

d 縦緩和

e 光子エネルギー

<解説>

超音波画像です

超音波検査のプローブ(体に当てる器械)は、

①超音波を出す(≒送信機)

②跳ね返ってくる(反射)超音波をキャッチする(≒受信機)

送受信、両方の働きをしています

 

ちなみに、

「超音波」=聞こえない音(周波数高すぎ)=音速

  

109A-116

右側舌縁部に最大径3cmの舌癌

同側顎下リンパ節のみに最大径2cmの転移1つ

遠隔転移なし

TNM分類は?

1つ選べ

 

a T1N1M0


b T1N1M1


c T2N0M0

d T2N1M0

e T2N1M1

 

<解説>

2017年1月からTNM病期分類が第8版に改訂されました

これまで考慮されなかった浸潤(深さ)が反映されるようになったので、

この問題は解答できなくなりました

 

以前は「 T2=2〜4cm 」でしたが、

第8版では

2〜4cmで浸潤10mm以下ならT2、

10mm以上であればT3になりました

 

転移リンパ節も節外進展extranodal extensionの有無で変わるため、解答するには問題文が不十分です

 

110C-107  

舌癌に対する根治的治療で単独で行われることが多いのはどれか。2つ選べ。

 

a 温熱療法

b 外科療法

c 免疫療法

d 遺伝子治療

e 放射線治療

 

<解説>

口腔癌(舌癌など) ≒ 手術

舌癌に対し、放射線治療として「小線源治療(放射線を出す金属を癌に埋め込む放射線治療)」が行われる場合があります。

 

110D-28

71歳、男性

主訴:舌の腫脹

3か月前から食事時に接触痛。

頸部に腫大リンパ節なし。

初診時の口腔内写真、造影CT、生検HE病理像を示す。 

適切な治療法は? 2つ選べ。 

 

a 開窓
b 外科的切除
c
抗菌薬投与 

d 放射線治療

e 副腎皮質ステロイド軟膏塗布

<解説>

高齢男性、舌が数ヶ月前から腫れている

 

これだけで癌を疑います

 

病理でいつもの「癌真珠」が示されているので、

診断は舌癌(扁平上皮癌)です

 

口腔癌(舌癌など) ≒ 手術

放射線治療として「小線源治療(放射線を出す金属を癌に埋め込む放射線治療)」が行われる場合があります

 

ただし、

大きい癌は手術(切除&再建)で、

小線源治療はしません

 

CTは、「それほど癌が大きくない」

→「小線源も選択肢になる」を示しています

 

109A-39

密封小線源による低線量率組織内照射の適応は?

1つ選べ

 

a 舌癌

b 硬口蓋癌

c 耳下腺癌

d 上顎洞癌

e 下顎歯肉癌

 

<解説>

口腔癌(舌癌など) ≒ 手術

舌癌に対し、放射線治療として「小線源治療(放射線を出す金属を癌に埋め込む放射線治療)」が行われる場合があります

 

舌癌に組織内照射することが頻回に出題されます

 

112B-34

口腔癌の放射線治療時の写真を示す。 

治療法はどれか。

1つ選べ。

 

a 電子線外部照射法 

b 粒子線外部照射法 

c 低線量率組織内照射法
d 強度変調放射線外部照射法
e 遠隔後装塡型高線量率組織内照射法 

102B-46

舌癌T1N0M0

組織内照射法の局所治癒率は?

1つ選べ

 

a 約30%

b 約45%

c 約60%

d 約75%

e 約90%

 

<解説>

T1N0M0 ≒ とても早期

とても早期なら全患者さんが治ってほしいですが

それでも90%、すなわち10%の患者さんはすんなり治らないというところが癌のこわいところです

 

ちなみに、

「局所治癒率」の「局所」とは

「舌(原発巣)」と「頸部(リンパ節)」を意味します

 

すなわち、

10%の患者さんは舌や頸部リンパ節に癌が残り追加の治療が必要になるということです

 

103A-33

口腔癌に対する根治的外部照射の晩発性障害は?

1つ選べ。

 

a 嘔吐

b 下痢

c 貧血

d めまい

e 口腔乾燥

111A-82 

75歳、女性

主訴:左側口底の腫瘤

5か月前に自覚。疼痛なく放置。

初診時の口腔内写真、CTMRI T2強調像、生検HE病理像を示す。 

適切な治療法は? 1つ選べ。

 

a 開窓
b
腫瘤切除
c
切開排膿 

d 顎下腺摘出

e 抗癌剤投与

ふるい状(篩状)= 腺様嚢胞癌

 

病理像で答えを求める問題=迷いようがない病理像

 

例: 

癌真珠(玉ねぎみたいな同心円)= 扁平上皮癌

 

109D-19

77歳、女性

主訴:右側口底の腫瘤

2か月前に気付いたが、疼痛がないため放置

初診時の口腔内写真、CTMRI T2強調像、

生検時のH-E染色病理組織像。

適切な治療法は?

2つ選べ

 

a 開窓
b
抗菌薬投与
c
外科的切除 

d 抗癌剤投与

e 副腎皮質ステロイド軟膏塗布

<解説>

生検は最も強力な検査です

見た目やCT、MRIで「たぶんガン」とは言えても

「〜〜癌」のような確定診断には至りません

 

この問題は病理所見だけで

ふるい状(篩状)= 腺様嚢胞癌 = 切除

 

腺様嚢胞癌は唾液腺由来の癌ですが、

位置から「舌下腺」が原発(発生源)と考えます

 

112B-53

口底部の腫瘤の口腔内写真と生検HE病理像を示す。

この疾患の特徴は?

2つ選べ。 

 

a 遠隔転移しやすい。
b 放射線感受性が高い。
c 明瞭な被膜を有する。 

d リンパ節転移はない。
e 神経組織への浸潤が多い。 

 

<解説>

この問題も病理所見だけで

ふるい状(篩状)= 腺様嚢胞癌

 

特徴は、

・神経浸潤

・遠隔転移(特に肺転移)

 

神経沿いに癌細胞が広がるので

舌神経に沿って下顎神経→三叉神経に広がると

手術で取り切ることが難しくなります

 

こういうときに

「脳神経」の記憶が役立ちます

 

111C-63 

口底部腺様囊胞癌切除術&年後のエックス線画像とCTを示す。 

矢印で示す転移部位はどれか。

1つ選べ

 

a
b
c 胸膜 

d 肋骨

e 縦隔リンパ節

<解説>

腺様囊胞癌の特徴は

・病理所見が篩状(わかりやすいので出題しやすい)

・神経浸潤

・肺転移

 

手術して、数年後に肺転移が見つかることがあるため、

ときどき、胸部X線写真や胸部CTでチェックします

 

肺転移も初期は無症状で、

進行もゆっくりな場合が多いです

111B-16 

刺吸引細胞診で診断可能なのはどれか。

1つ選べ

 

a 歯牙腫 

b 腺様囊胞癌

c 骨形成線維腫

d 線維性異形成症

e セメント芽細胞腫

 

<解説>

腫瘍に採血の針を刺して、

注射器で吸うと、少量の細胞が取れます

これを調べるのが「細胞診」ですが、

「生検」で組織(塊)を調べる方が、確実です

 

骨や歯など石灰化して硬いところは

針を刺す細胞診はうまくいきません

 

また、

脂肪腫も脂肪滴ばかりで細胞が取れず

細胞診はうまくいきません

 

 

110D-30

25歳、女性

主訴:右側口蓋部の無痛性腫脹

1年前 腫脹自覚、放置し、徐々に増大

波動や圧痛なし

初診時の口腔内写真、CTMRI(T2)、生検HE病理像を示す。 

診断名は? 1つ選べ。

 

a 筋上皮腫
b
多形腺腫
c 粘表皮癌 

d 腺様囊胞癌 

e 扁平上皮癌 

102A-79

ある疾患の特徴を示す。

① 唾液腺に発生する。

② 緩慢な発育を示す。

③ 扁平上皮細胞、粘液産生細胞および中間細胞からなる。

考えられる疾患は? 1つ選べ。

 

a 粘表皮癌

b 腺房細胞癌

c 腺様嚢胞癌

d 扁平上皮癌

e 多形(性)腺腫由来癌(多形性腺腫内癌)

 

111D-74 

43歳、女性

主訴:口蓋部腫瘤

2か月前 無痛性腫瘤を自覚

圧痛なく、弾性硬。

初診時の口腔内写真、HE病理像を示す。 

診断名は? 1つ選べ。 

 

a 多形腺腫
b
粘表皮癌
c
腺様囊胞癌 

d 扁平上皮癌 

e 悪性リンパ腫 

111D-86

62歳、女性

歯科医院で口蓋部腫脹を指摘され、精査希望で受診。

初診時の口腔内写真、MRI脂肪抑制造影T1強調像と脂肪抑制T2強調像、CT、生検HE病理像を示す。 

診断名は? 1つ選べ。

 

a 膿瘍
b 血管腫
c 多形腺腫 

d 扁平上皮癌
e
エナメル上皮腫 

110A-128

舌白板症切除手術に際して生体染色検査を行った。

検査前後の口腔内写真を示す。

病変部の細胞は①が減少しているため不染色領域として描出される。 

①に入るのはどれか。1つ選べ。

 

a コラーゲン

b セルロース

c β-グルカン 

d グリコーゲン

e プロテオグリカン

生体染色検査とありますが、ルゴール(イソジンみたいな茶色のヨード液)かけて染まらないところ=悪そうなところと判断する簡単なものです

 

PETに関する問題で、

腫瘍はエネルギーであるグルコース(ブドウ糖)をたくさん持っているから赤く光って見えるのに、前癌病変である白板症は貯めた栄養であるグリコーゲンを持ってなくてルゴール染色(ヨードデンプン反応)で染まらないんだ?と思われるかもしれません

 

正常な粘膜は内部にグリコーゲンを持っているのでヨード液で染まりますが、癌や白板症のような増殖性の病変内にはグリコーゲンがないため染まりません

覚え方としては、どんどん増殖するために栄養を蓄えずに使ってしまうと考えると覚えやすいです

103B-34

58歳の男性。右側舌縁の違和感を主訴として来院した。1か月前に気付き、市販の副腎皮質ステロイド軟膏を使用したが、症状は改善しなかったという。切除術を行うこととした。

初診時の口腔内写真と処置時の写真を示す。この処置の目的はどれか。1つ選べ。

 

a 表面麻酔

b 播種の防止

c 手術野の消毒

d 切除範囲の設定

e 病巣深度の予測

ルゴール染色、

「染まらない」=病変

 

目的は「病巣範囲の予測」で、

「切除範囲の設定」はこの染まらない範囲と硬結を触れる部分に安全域を加えて切除範囲を設定します

国家試験では言葉の使い方が気になる時が時々ありますが、全員正解にはならないようにするための工夫なのだと思います

103C-116

前癌病変はどれか。2つ選べ。

 

a 白板症

b 紅板症

c 粘膜下線維症

d 円板状エリテマトーデス

e Plummer-Vinson症候群

110A-99 核酸合成過程の代謝拮抗によって抗腫瘍作用を示すのはどれか。2つ選べ。 

 

  a 5-FU 

  b ゲフィチニブ

  c セツキシマブ

  d メトトレキサート

  e ドセタキセル水和物

110C-76  

高分化型扁平上皮癌の Papanicolaou 染色の細胞像 別冊No. 15 を別に示す。 矢印で示すのはどれか。1つ選べ。

 

a 好中球

b 角化細胞

c 基底細胞

d リンパ球

e 線維芽細胞

110C-112  

55歳、女性

主訴:口蓋部の着色

3か月前 着色を自覚。徐々に拡大。

初診時の口腔内写真とHE病理像を示す。

正しい治療は? 1つ選べ。 

 

a 直ちに搔爬する。

b 多剤併用化学療法は無効である。

c 上顎骨を含めて広範囲に切除する。

d エックス線に対して高感受性である。

e メトトレキサート大量療法が適用される。

110A-83

54歳、男性

主訴:舌下面の腫脹

腫脹は弾性軟。

初診時の口腔内写真と口腔内超音波検査の画像を示す。

考えられるのは? 1つ選べ。 

 

a 膿瘍

b 血管腫

c 脂肪腫 

d 粘液囊胞

e リンパ管腫 

103C-30

触診で圧縮性を示すのはどれか。1つ選べ。

 

a ガマ腫

b 線維腫

c 血管腫

d エプーリス

e 悪性リンパ腫

110D-15 

74歳、男性

摂食・嚥下リハビリテーションを目的に受診。

舌癌で舌半側切除術、左下顎区域切除術、頸部郭清術、皮弁と再建プレートによる再建術を受けたという。

嚥下造影検査で検査食の梨状窩への残留を認めた。

摂食・嚥下機能訓練時の写真を示す。 

訓練の目的は? 1つ選べ。

 

a 喉頭挙上の強化
b
声門閉鎖の強化
c
頸部可動域の拡大 

d 呼吸筋の筋力増強

e 鼻咽腔閉鎖の改善

頭頚部癌の術後後遺症に「嚥下障害」があります

食事が摂れないと退院できないので、経鼻胃管(問題図で鼻にテープで止めてあるチューブ)から栄養剤を摂取しながら、リハビリを頑張ってもらいます

 

「嚥下障害」を評価する最も有用な検査が嚥下造影検査です

VF:video-fluoroscopic examination of swallowing」とも言います

造影剤または造影剤を混ぜたゼリーなどを飲んでもらい、どのように嚥下されているかを評価します

 

「検査食の梨状窩への残留を認めた」とあります

「梨状窩」は「梨状陥凹」とも呼ばれ、「下咽頭」の一部です

「下咽頭」はイメージしにくい場所ですが、場所としては、「喉頭の後ろ」です。

口腔の後ろが中咽頭、鼻腔の後ろが上咽頭、喉頭の後ろが下咽頭です

下咽頭はわかりにくいのでこの機会に理解しましょう

一目でわかる咽頭表在がんアトラス 渡邉昭仁 (著),‎ 武藤学 (著): 内視鏡や粘膜病変をたくさん見たければこれ

正面からの透視。左の梨状陥凹に造影剤が貯留している(白矢印)

梨状陥凹が「梨状」と呼ばれるのはこのような形をしているからです。(洋梨)

頭部挙上訓練(シャキア・エクササイズ,Shakier exercise)

頭部挙上訓練は舌骨上筋群の筋カトレーニングです。

喉頭の前上方運動を強化して食道入口部を開大させます

食塊の通過、咽頭への残留を減らします

先生、誤嚥性肺炎かもしれません 嚥下障害、診られますか? 谷口 洋 (編集): 嚥下について基本的なことから学べる入門書

103B-27

38歳、女性

主訴:左側顎下部の腫脹

5年前 同部の無痛性腫脹を自覚

初診時の顔貌写真、MRI(T2)、HE病理像を示す。

診断名は? 1つ選べ。

 

a 血管腫

b 脂肪腫

c 多形腺腫

d リンパ管種

e 歯原性粘液腫

107A-122

弾性軟で圧痛ない頰粘膜腫瘤の口腔内写真と摘出標本写真を示す。

術前のCT値は-95 HU。

最も疑われるのは?

1つ選べ。 

 

a 血管腫
b 粘液瘤
c 脂肪腫 

d 横紋筋肉腫

e リンパ管腫

<解説>

摘出したなら病理像が確認できるので

問題としては変です

摘出標本ではなくCTを出せばいいと思うのですがなぜでしょう

 

問題から得られる知識としては、

CT値」の意味です

 

CT値はCT上の白さを数字で表したものです

ポイントは、「真っ黒=0ではない」ということです

基準である0を水としているので、

水よりも黒い部分はマイナスの数字になります

問題でマイナスの数字が出されているのは

「水よりも黒っぽいのは何ですか?」という意味です

ポイント:

CTで「脂肪」は水より黒くうつる

 

これを覚えてください

 

111A-62

唾液腺腫瘍のMRI T1強調像と拡散強調像を示す。

病変の部位は?

1つ選べ。


a
頰腺
b
顎下腺 

c 臼後腺

d 耳下腺

e 舌下腺

107A-116

舌の褥瘡性潰瘍への対応として適切なのは? 1つ選べ。 

 

a 刺激除去 

b 鎮痛薬投与

c 抗菌薬投与

d 外科的切除

e レーザー焼灼

110D-41 

84歳、女性

主訴:右側舌縁部の疼痛

2か月前 同部を嚙んだ。その後、痛み持続。

難治性の潰瘍と診断した。

初診時の義歯非装着時と装着時の口腔内写真を示す。 

アフタ性口内炎と鑑別できる本病変の特徴的な所見は?

1つ選べ。

 

a 強い接触痛
b
潰瘍周囲の紅暈
c
類円形の潰瘍底 

d 著明な硬結の触知

e 潰瘍周囲の瘢痕形成

112C-39

抗腫瘍薬と作用機序の組合せで正しいのは?

2つ選べ

 

a シスプラチン-DNA合成阻害
b セツキシマブ-EGF受容体阻害
c フルオロウラシル-葉酸代謝拮抗 

d メトトレキサート-微小管脱重 合阻害
e ドセタキセル水 和物-ピリミジン代謝拮抗 

113D-1

放射線の影響における線量と頻度の関係を示す

 

この図に該当するのは?

1つ選べ

 

a 脱毛

b 不妊

c 骨壊死

d 白内障

e 白血病

 

<解説>